あすなろコラム

~51対49~ 2024.09.01

やりたい放題に暑さを放った夏もさすがに9月に入れば「私、このあたりで失礼いたしま~す」と言って、帰り支度を始め、そそくさとお引き取りいただけるはずと思いきや、、、、「おい、おい、まだそこにおったんかーーい!」と突っ込みたくなるような残暑が続くのは何ざんしょ。(なんちゃって)

 

さて、本題に入りますが51対49。いきなりバスケやアメフトのスコアみたいな数字ですが、何だかわかりますか?実はバスケやアメフトではなく、子育てのスコアなのです。100%のうち、49%だめでも51%うまくいけばいい。つまり100対0の圧勝ではなく手に汗握るようなギリギリの勝利でOKということです。

 

子育てに悩みがつきものなのは言わずもがなです。子どもが成長するにしたがって悩みの種類も多様化します。問題に直面したならば、悩みに悩んだ末の判断や決断を下して子どもを教育していきます。しかし、なかなか問題が解決しない時に思うのです。「果たして私の判断は正しかったのだろうか???」

 

もしあなたが「あ~すればよかった…こ~すればよかった…」と後悔することがあるとしたら、次のように考えることをお勧めします。もともと子育てに全問正解はないのです。地域や年代など子どもが育つ環境はさまざまです。子どもを育てる親が子どもとして育った時代と今の子どもの時代は明らかに違います。兄弟姉妹で性格も違います。そんななかで常に正解を導き出すことは不可能なのです。

 

「思い通りにならないことを教えてくれた人、それは親でも先生でもなく我が子でした」そんな笑い話があるくらいですから、思い通りにならないことだらけの子育ての現実をしっかりと受け止めて、その中でもひとつふたつぐらいは思い通りになる喜びを見つけることが子育ての秘訣のようです。

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「いっぱいの大丈夫」~ASUNARO SHORT STORY~ 2024.07.18

ある施設で介護士をしている私は、今まで幾人かの高齢者を見送ってきました。その中で「大丈夫の力」を教えてくれたおばあちゃんのことは、けっして忘れることができません。

 

その方が施設に入ってきた時、私はある悩み事を抱えていて何もかも嫌になり仕事を続ける元気もなく「もう辞めたい」と何度も思い辞表をいつも持ち歩いているような毎日でした。

 

そんな私を心配してなのか、そのおばあちゃんは、私の顔を見かけるたびに「大丈夫?」と声をかけてくれました。ぜんぜん大丈夫なんかじゃないのに、おばあちゃんに「大丈夫?」って訊かれると、ついつい「大丈夫です‥」って答えてしまう私に、おばあちゃんはやさしく微笑みながら、こんな話してくれたのです。

 

「あのね、あなたが大丈夫なんかじゃないことぐらい、私にはわかっていますよ。だってその顔にちゃ~んと書いてあるもの。そして‥これ。あなたのポケットからさっき落ちたのを私が拾ったの」「あっ、それ‥」「そう、あなたの辞表。拾ったのが私でよかったわ」「す‥すみません‥」

 

私の主人はね、ガンでずいぶん前に亡くなったんだけど‥。末期の激しい痛みに耐えながらも、いつも私に「大丈夫か?」って訊くの。自分がいちばん辛くて大丈夫なんかじゃないのにね‥。だから、ある時「どうして?」って訊いたの。そしたら「大丈夫って言葉はすごい力を持っている。自分が大丈夫じゃなくても、人に「大丈夫か?」と訊いて「大丈夫」って返事されると自分が大丈夫になった気がするんだ。」ですって。私は涙が止まらなくてね。だから最期は「いっぱいの大丈夫をありがとう」って言って主人を見送ったの。大丈夫って言葉はきっと自分やみんなの心に元気を与えてくれるから、あなたもできるだけ多くの人に「大丈夫?」って声を掛けてほしいの。自分が大丈夫じゃなくても、まわりの人に「大丈夫?」ってね。それができるようになれば、あなたはきっと「大丈夫よ!」

 

今の私があるのはおばあちゃん‐あなたのおかげです。「いっぱいの大丈夫をありがとう」

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~受容力~ 2024.07.03

人間にはさまざまな能力が秘められていますが、その中で私がもっとも大切だと思う力は「どんな現実に遭遇したとしても、それをしっかり受け入れることができる力」です。

 

私たちの身の回りには、上り坂、下り坂、そして「まさか」という現実が常に付きまとっています。順風満帆な人生なんていうのは、およそ漫画の世界であって、想像すらしなかった出来事が何度も繰り返し起こるのが人生です。そして‐世の中とは絶えず変化しながら、巻き戻しや一時停止もできないまま時に残酷な傷跡を残したとしても、そんなことはお構いなしに、素知らぬ顔して過ぎていくものです。

 

そ、そんなネガティブな・・と思われるかもしれませんが、巷で起こっている事件や事故、災害のニュースに接するたびに暗澹たる気持ちになる‐大沢誉志幸の歌ではないですが、まさに「そして僕は途方に暮れる・・」状態になることも事実ではないでしょうか。

 

そんな時、頼りになるのが「すべてを受け入れる力-受容力」なのです。「こんなはずじゃない‐と目の前の現実から逃げることなく、正面からしっかり向き合う力、そして出来ることから少しずつでも対処していける力。この力こそ人が生きていくうえで最も重要な力と私は思います。

 

しかも受容力が高い人はボケないとも言われているようです。そしてどんなに落ち込んだ時にもちゃんとお腹が空いてしっかり食べることができる人。そんな方があなたのまわりにいらっしゃるとしたら、その方はきっと長生きすることでしょう。

 

ちなみに変化は英語でchangeと書きますが、このgがcに代わるとchanceとなります。

つまり変化するということは一字変えるだけでチャンスになる。これが「ピンチはチャンス」と言われる所以なのかもしれません。受容力が高い人はそんな発想の転換が当たり前のようにできる方なのでしょうね。

 

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~一期一会~ 2024.06.01

人はそれぞれの人生において様々な出会いがあります。たった一度だけの出会いもあれば、何度も繰り返えされる出会いもあるでしょう。たとえば一生にたった一度だけ出会った人に命を救われた方がいらっしゃるとすれば、その方にとっては、その一度きりの出会いが生涯忘れることができない出会いになるでしょうし、何度も何度も繰り返される出会いであっても、世の中に永遠に続くということはなく、時が過ぎゆく中で、いつの日か出会えなくなる日が必ずやってきます。

 

であるならば‐たった一度きりであろうが、何度も繰り返されようが、その時の出会いが最後だと思って大切にしなければならない‐茶道の大家、千利休はその思いを「一期一会」という言葉で表しました。さらに、この出会いというのは人に限らず身の回りの物-普段から愛用している物品や店先で初めて出会った商品も同様である、というのです。

 

ゆえに、小生もこの言葉に大いなる共感を覚えて、人はもちろんのこと、もともと靴や時計が大好きなので街中やネットを通じて初めて出会った商品との出会いを大切にしています。

 

先日、歯医者の帰りにずっと気になっていた昭和の雰囲気を漂わせた古風な靴屋さんの暖簾を思い切って潜ったところ‥老齢の店主が「いらっしゃい」とぽつり一言。BGMもない静かな店内を進むと店主の視線が背中にビンビン伝わり「やっぱり‥帰ろう」と思った瞬間でした。ふと目に入ったスニーカーに心を奪われ、これぞまさしく「一期一会だ!」と、ひとりで納得し購入、かくして思いがけない運命的な出会いが果たされたという次第です。

 

しかし、このような出会いを大切にしすぎると必然的に靴は増え収納する場所がなくなり「たこやイカじゃあるまいし‥」と文句をいわれ、時計に至っては「千手観音じゃあるまいし‥」と呆れられ、もし帽子をたくさん持ったとすれば「ヤマタノオロチじゃあるまいし‥」といわれるのがオロチ‥。ん?!ではなく‐いわれるのがオチなので、物に対する「一期一会」はほどほどにしなければと自らを戒めている今日この頃でございます。

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~先生たちへ~ 2024.05.01

五月の空を風に乗って鯉のぼりが元気に泳いでいます。太陽の光を浴びた木々がキラキラと緑色の命の輝きを放っています。こよみは皐月、みどり輝く爽やかな季節の訪れですね。五月みどり※‥なんちゃって(笑)

 

見上げれば、どこまでも青く広がる美しい空に、高く舞い上がり囀るひばりが一羽いました。美空ひばり※‥なんちゃって(笑)

 

そして園庭に吹く風は、子ども達を優しく抱きしめ語りかけながら、心の窓をひとつまたひとつと開けてくれます。寂しくて泣いている子どもの頬に伝わる涙を乾かしてくれるのも五月の風です。あすなろ幼稚園の先生はそんな五月の風であってほしい。と思います。

 

先日、某所へ出張した時、久しぶりに飛行機の窓側に座り、景色を眺めていました。するとそこに飛んできたのは―そう・・まさしく・・アンパンマン?!ではなく青空にまん丸と浮かんだ白い雲でした。

 

青空に浮かぶたくさんの雲は五月の風に行き先を尋ねながら、いろんなカタチに変化して流れていきます。そんな雲のように、毎日違った様子や表情を見せてくれる子ども達が可愛くて愛しくてたまらない。そう思える先生であってほしいと思います。そして、その胸に思いっきり飛び込んできた子供達を五月の風のように優しく抱きしめてほしいのです。

 

まもなくゴールデンウィークですね。幼稚園がお休みでも、お出かけすればパパやママのようにあなたに優しく語りかけ抱きしめる五月の風。その風はきっと幼稚園の先生達です。そう言える幼稚園、そう言える先生でいてほしい。と願いながら、爽やかな五月の風を胸いっぱいに吸い込んで、これからも風に流れる雲を追いかけていく私でありたいと思います。

※の人物は昭和を代表する芸能人。おじいちゃん・おばあちゃん世代の方はきっとご存じのはずです(笑)

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あすなろ幼稚園
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