学校法人 柿迫学園 あすなろ幼稚園

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あすなろコラム

~Fの壁~ 2019.06.01

人が何かにチャレンジするときには、必ず乗り越えなければならない壁があります。例えばギターを始めたとして、最初は簡単なコードを抑えてポロ~ンと弾くわけですが、EコードやAコードは割に抑えやすいので「けっこう簡単じゃん!」なんて思うのも束の間、その先に立ちはだかるFコードの壁に「無理!無理!」と誰もが打ちひしがれるのです。そこで挫折してしまえば、弾いてみたかったこの曲もあの曲も叶わぬ夢となって儚く消えてしまいます。

 

幼稚園や保育園の子ども達は、毎日の園生活なのかで、出来なかったことが、出来るようになり、知らなかったこと、分からなかったことが理解できるようになります。まさに成長するということですが、そのためには、何度も失敗を繰り返し、壁にぶち当たりながらも、ギターのFコードのように難攻不落のごとく立ちはだかる大きな壁を乗り越えなければなりません。

 

つまり当園で掲げている目標とは、子ども達の目の前に立ちはだかる壁そのものです。成長するためには、必ずその壁を乗り越えなければならない。ですから、その壁とは決して邪魔なものではなく、人としての成長を促すためになくてはならない存在と言えます。

 

「あなたは、なぜ、山にのぼるのか」という質問に、「そこに山があるからだ」と答えた人はイギリスの伝説的登山家ジョージ・マロリーです。山があるから登る、壁があるから乗り越える。もし、壁がない世界があるとするならば、そこには成長もないと私は思います。

 

なぜ人は生きていくのか、それは、そこに成長するための壁があるから。人生とは壁を乗り越えるためにある。ですから、いろんなことにチャレンジしている子ども達に伝えたい。努力は決して人を裏切らない。あせらずあきらめずに努力の壁を乗り越えて前に進もう。なぜならその壁の先には「できたっ!」という成長の喜びが君たちを待っているのだから。

 

~五月の誕生~ 2019.05.01

生まれたての木々の若葉が陽光に翠を放ち山々は色濃く萌えた息吹をそよ風に乗せて鳥の囀りを誘います。そんな五月は、かつてない10連休という穏やかな休日の最中に、新たな時代の誕生と共にやってきました。

 

きらめく季節に

たれがあの帆を歌ったか

つかのまの僕に

過ぎてゆく時よ

二十才 僕は五月に誕生した

 

僕は木の葉をふみ若い樹木たちをよんでみる

いまこそ時 僕は僕の季節の入口で

はにかみながら鳥たちへ

手をあげてみる

二十才 僕は五月に誕生した

 

この詩は寺山修司が21歳という若さで出版した「われに五月を」という作品にある「五月の詩」の序詞です。「平成」が終わり「令和」という新しい時代の誕生が五月ということで、皆様に紹介させていただきました。

 

「ひとつの終わりは、ひとつの誕生でもある」

春夏秋冬、巡る季節の中で、生命の繰り返しを感じながら、私たちは生きています。そして、いつまでもこの平和な時代が続くことにより、この世に生きるすべてが、生命のバトンを繋ぎながらそれぞれの歴史を築いていけるのです。生命きらめく五月に誕生した新しい時代が、今を生き、明日を担う子ども達にとって、すばらしい歴史が築ける時代になることを願っています。

~限りあるから美しい~ 2019.04.01

永遠の美しさ・・・永遠の愛・・・永遠の命・・・。

誰もが永遠というものにあこがれを抱くことがあります。しかし、もし、あなたが望む永遠の何かを手に入れることができたら果たして幸せでしょうか?

 

春の訪れを告げるサクラの花は、冬の厳しい寒さに耐えるための重たい心の鎧を解放して気持ちを軽やかにしてくれます。やわらかな日差しに照らされて、ひらひらと舞うサクラの花びらを眺めていると、この美しさと静寂が永遠に続いてほしいという願望に駆られます。

 

しかし、もし桜が一年中咲きっぱなしだったら・・・いかがでしょうか?

一年中、あちらこちらで桜の花また花・・・だったら、春を迎える喜びも桜の花への美的なあこがれも薄れてしまうような気がします。

 

「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛)

 

自然や生命というのはその力強さの中に、はかなさやもろさを秘めています。このバランスのなかで私たちは生かされているのです。人も含め、生きとし生けるものすべての生命は限りあるからこそ美しいのです。限りあるからこそ大切な存在なのです。出会いと別れも同じです。出会いがあって別れがあるから、その中で後悔しないよう生きる。世の中というものは、始まれば終わり、そして、また始まる。その繰り返しだと思います。

 

平成という時代も今月で終わり、新しい時代が始まります。そして、この春もまた新しい出会いが巡ってきました。新しい時代の到来とともに、あらためて今年度の新たな出会いの喜びと希望を胸に、限りある時間・空間・仲間の三つの「間」を大切に日々是好日で過ごしていければと思います。

~ビジョン・目標・目的~ 2019.03.01

先日、母校でもある曰佐中学校の立志式に臨席しました。立志とはまさしく志を立てるということですが、古来より14歳前後の年齢になると元服といって大人の仲間入りを果たす儀式が行われていました。それに倣って最近の中学では、2年生から3年生になる前に立志式なるものを挙行する所が増えているようです。

 

さて、その立志式ですが、寒さも相まって身の引き締まるような緊張感が漂う講堂兼体育館で、学年代表の4人の生徒が自分の将来に向けての志を発表してくれました。まあー!その内容の素晴らしいこと!思わず感動してそれぞれの生徒に心からの拍手を送らせていただきました。

 

幼稚園や保育園でも誕生会などで子供たちが「大きくなったら〇〇になりたいです」と発表する場面がありますが、さすがに中学生ともなれば「仮面ライダーになりたい」という生徒はいません(笑)。ただ、自分の中学時代と違い、立派な将来像を描いてこれからの人生を歩んで行こうとする決意表明はあっぱれでした。

 

夢を持つことは大切ですが、夢見るためだけに見る夢や思いつきで描く夢は、儚いものでいつかは散ってしまいます。夢を夢見ても、それは志とは言えません。ちなみに「夢」の語源は「寝目(いめ)」で、「志」の語源は「心指す」だそうです。では、夢を単なる夢ではなく「こんな生き方をしたい!」という立志につながる「ビジョン」にするためには何が必要か。それは「目標」です。つまり「目標」とは「ビジョン」実現のために、これから何をなすべきかを具体的にするということです。

 

そして、最後にもっとも必要になる要素は、何のためにという「目的」です。自分を満たすだけの「目標」や「ビジョン」は稚拙で虚しいものです。誰かのために、更に言うなら世の中のためにという気高い目的意識を持たなければ「夢」や「志」は輝きません。そのことをしっかり捉えた今どきの中学生の発表に、あらためて心打たれたひと時でした。

~絵本の力~ 2019.02.01

「心の中にファンタジーを持てば、辛い現実を乗り切る力になる」

これはある有名な心理学者の話です。考えてみれば、幼稚園や保育園にはファンタジーが満ち溢れています。例えば絵本の世界。非現実的なうそっこの世界が、心の中に想像の翼をいっぱいに広げてどこまでも羽ばたいていく。

 

想像力というのは、正解・不正解の世界ではなく、いろんな発想が出来たり、またそれを受け入れたりする能力のことで、これは、昨今、教育界でよく言われている非認知能力というものです。

 

これは、知識や記憶力に基づいた学力テストなどで数値に表わされる認知能力とは違って、意欲、自尊心、自己肯定感、周りから認められているという気持ち、他人に流されず自分らしく生きる力、自信、粘り強さ、コミュニケーション力‥等々です。このような能力を幼児期の生活の中でできるだけ多く体験することが重要と言われています。

 

人が成長するには、ひとつの物差しに合わないからと言って否定されるのではなく、自分なりの世界を周りから受け入れられたことにより感じる自己存在感やさらには認められて愛されているという安心感が必要です。心の中にそのような安心・安定の世界を持つことが出来れば、自分以外のあらゆる世界をも受け入れる力が身に付きます。

 

そのような力を育むのが、まさに絵本の世界だと思います。まだまだ寒い日が続きますが、そんな日こそ、子どもを膝に抱っこして、安心感と想像力が広がる多くの絵本を読んであげて欲しいものです。「心の中にファンタジーを持て」これは絵本が育むあらゆる力の大切さを説いた言葉です。

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