学校法人 柿迫学園 あすなろ幼稚園

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あすなろコラム

~エール~ 2020.05.01

1962年に出版されたレイチェル・カーソンの著書「沈黙の春」は農薬などに含まれる化学物質が生態系に悪影響を及ぼし、鳥たちが鳴かなくなり静まり返った春の自然界の変化を訴え当時の社会に大きな衝撃を与えました。

 

そして今、日本のみならず世界中を混乱の渦に陥れている新型コロナウィルス‥。未だこれといった特効薬も見つからず、人類は出口のない迷路を彷徨い続けている昨今です。満開の桜は、人もまばらな野辺や公園の散歩道に静かに散り、今は陽光に照らされた若葉の翠の輝きにも何となく虚しいほどの静けさを感じてしまいます。

 

まさに「沈黙の春」。緊急事態宣言が発令されて、人々の生活は否応なしに「沈黙」を強いられ、空白の1~2か月を過ごしてきました。当たり前だったことが当たり前ではなくなり

失われた時間は二度と戻って来ません。そして何よりも辛いことは、この底知れぬ不安や悲しみが、いつまで続くのか誰も知らないということです。終わりの始まりなのか、終わりなき始まりなのか‥。

 

しかし、そのような中においても医療現場の最前線はもちろん、あらゆる職種の方々が必死になって働いてくれています。また家庭においては、家族の健康を守るために一生懸命、家事に従事している方もいらっしゃいます。本当に頭が下がる思いです。福岡市においては「フライデーオベーション」という取り組みが行われていますが、私からもさまざまな場所でコロナ対策のために頑張っていらっしゃる方々に感謝と敬意を表してエールを送りたいと思います。

 

そのような方々のためにも、一日も早く子供達みんなが集い、笑顔と歓声があふれる保育が行えるように、只々願うばかりです。我々に出来ることは、その日が来ることを心待ちに健康管理に留意して、準備に惜しみない汗を流すことです。職員一同、今まで当たり前だった日常にあらためて感謝し、当たり前が有難いと思える気持ちを持ち続けて参ります。

~出会い~ 2020.04.09

 

 

穏やかな日差しを浴びて、新しい生命の息吹が、頬にあたる優しい春風となって吹き、小川のせせらぎは、鳥のさえずりを誘うように、よどむことなく清らかに流れていきます。いつもと変わらぬ五感に伝わる春爛漫のぬくもりや色、匂いや音などが、あちらこちらにあふれている中、新年度を迎えたこの4月は、今まで経験したことのない出来事に遭遇したことにより、いつもとは明らかに違う生活を強いられています。

 

「人生には上り坂、下り坂、そして、まさか!がある」とよく言われますが、まさに昨今の出来事は「まさか!」との出会いに相違ありません。あらゆる自然災害も含めて我々は時に予想もしなかったことと出会うものです。そして、その度に、耐えがたい苦しみや悲しみを経験します。まさに、すべてを失ってしまいそうな喪失感と失望感に苛まれてしまう訳です。

 

しかし、人類は、今までもそうであったように、決して諦めてはいけません。なぜなら、過去からのバトンを引き継いだ我々は、どんな苦境に立たされても、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、今、手に握っているバトンを未来に繋いでいく使命があるからです。オリンピックの聖火にもそんな思いが込められている気がします。

 

そして、出会いとは、出来事に限らず人との出会いもそうであるように、偶然であれ必然であれ一度出会ってしまえば、避けて通ることの出来ないものです。いつ何時どんな出来事と出会うか誰にもわかりません。大事なことは、どんな出会いであっても、そこから何かを得たり学んだりすることではないでしょうか。「人には乗り越えられない試練はない」暗闇の中だからこそ見える希望の光は必ずある。

 

どんな出会いにせよ、後になって、あの時の出会いがあったからこそ、今の自分があると今を生きることに感謝できる。そんな一年になればと思います。新園児を迎えての新たなスタートです。今年度もよろしくお願いいたします。

~心根を育てる~ 2020.03.01

今年は暖冬と言われた通り、例年に比べて随分と過ごしやすい冬でしたね。暦の上でも立春は疾うに過ぎ、春はもうすぐそこまで来ていることを日中の日差しのやわらかさや優しい風に揺れる桜のつぼみの膨らみが知らせてくれているようです。先日、ある新春の集いで「今日はぬくかねぇ~」という長老の方の声が聞こえてきましたが「ぬくかぁ~」という博多弁を久々に聞いて、心がじんわりと温かくなりました。

 

さて、今月下旬の桜の開花宣言が待ち遠しい今日この頃ですが、美しい花を咲かせる桜の花は、冬の厳しい寒さに晒されても黙ってじっと耐えてきた枝が、葉もすっかり枯れ落ちて丸裸のまま、つぼみをしっかり守ってきたおかげなのです。私は毎年冬に園庭にある桜の丸裸の枝を眺めては「がんばれ!がんばれ!」と心の声で語りかけています。そうすると、不思議なもので、桜の枝からも「お前もがんばれ!」と逆に励まされているような気持になります。どんなに厳しい環境も黙って受け入れる木と向き合い無言で会話する、そうすることで心が安らぎ穏やかになれる。木にはそんな力もあることに気づきます。

 

しかし、そこでふっと、木には目に見える枝葉だけではなく、目に見えないもっと大切な存在があることに改めて気づくのです。それは根っこです。言うまでもなく根が弱ると木は育ちません。寒さに耐える丸裸の枝も春の陽光浴びて優雅に咲く花も瑞々しい色を放つ新緑もすべては根っこが支えているのです。

 

目には見えない根っこを育てる。木も人も同じです。我々は得てして目に見えるものばかりに心を奪われてしまいがちですが、目に見えるものを支えている、目に見えないものに、目を向けることの方が実は大切だと私は思います。人にも目には見えない「こころ」というものがあります。心の声や思いが言葉や態度となって見えてきます。心根を育てると言葉や態度も育つ。そんな思いでこれからも「心の根っこ」の育ちを大切にする保育を実践していければと思います。

~出来なかったのは何故?~ 2020.02.02

出来なかったことが出来るようになる」すなわち、それが成長というものです。人がこの世に「おぎゃー」と生まれてきた時には、ほとんど何もできません。それは、霊長動物の中で人間が最も未熟に生まれてくるからです。然るに、人の赤ちゃんほど生まれてから、まわりの世話が必要な存在はないのです。

 

しかし、人間が持っている他の霊長動物にない最も優れた特徴は、成長の「伸びしろ」が大きいということです。生まれてきた時が未熟な分、子供時代が長く、成長のペースは決して早くはないのですが、ゆっくり大人になっていく過程で、あらゆる環境を通して、その子なりのペースで成長していきます。ですから、この子供時代の環境こそが、その子の成長にとって、とても重要になるのです。これが、幼児教育の重要性、すなわち幼児期のおけるさまざまな体験が、その後の成長に大きく左右すると言われる所以です。

 

では、幼児期の子供達とどのような関わりをすれば、いいのでしょう。その答えは、言うまでもなく、人として生まれた特徴を理解した上で、粘り強く根気強く、深い愛情をもって関わる。ということでしょう。

 

言葉で言うのはとても簡単ですが、幼児教育にとって、これほど難しいことはないかもしれません。「何度言ったらわかるの?」「どうして出来ないの?」。このような言葉で子供を叱るケースがあるのも事実です。しかし、そこで一旦、深呼吸して考えてほしいのです。出来なかったのは子供のせいですか?悪いのは子供だけですか?あなたの指示や指導は適切でしたか?出来るのが当たり前と思い過ぎていませんか?

 

人はゆっくり成長して大人になる。もう一度そのことを思い出して、出来ない時は待つことも必要ですし、決して諦めないで、自分の関わり方を振り返りながら、あの手この手で接していれば、きっと成長してくれる。そんな思いで、子供と接していきたいものです。

~幸せを願うということ~ 2020.01.09

 

 

令和になって初めて迎えたお正月。皆様はどのようにお過ごしになりましたか。新しい年を迎えるにあたり誰しもが願うことは「怪我や病気をせずに、ひとつでも多くの幸せを感じる一年にしたい」といったところでしょうか。

 

世の中に、不幸になりたい!と願う人はいない訳で、「幸せを感じる」ということは、生きていく上での永遠のテーマと言っても過言ではないと思いますが、この「幸せを感じる」ということに関して、素敵な話があるので皆様にご紹介いたします。

 

ある人が、幸せになるためにはどうすればよいか?ということを偉い方に尋ねました。

そうすると、次のような答えが返ってきたそうです。

 

一日だけ幸せでいたいならば、床屋に行け。一ヶ月だけ幸せでいたいなら、車を買え。

一年だけ幸せでいたいなら、家を買え。一生幸せでいたいなら、何事にも感謝することだ。

 

床屋に行って髪を切ってもらえば、スッキリして、その日はとても気分良く過ごせるでしょう。車を買えば、最初のうちは運転するのがうれしくて、普段だったら面倒くさくて嫌だと思うお迎えやお使いも喜んで引き受けてしまいます。同じく家を買えば、最初は、部屋の装飾に凝ったり、こまめに掃除をしたりしますが、一年もすれば飽きてしまい、多少散らかっていても気にならなくなるというのです。

 

そして、いちばん大事なことが、最後の「何事にも感謝」です。人が感じる不満というのは、足りない所から生まれるのではなく、実は有り余るところから生まれるのです。欲しいものを全て手に入れても決して幸せを感じることはできません。むしろ、足りなくても身の回りに感謝する気持ちを持つことができれば、その人は一生、幸せだと感じることでしょう。今年一年、幸せを願うことより身の回りのもの全てに感謝する気持ちを忘れずに過ごせたらと思います。

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