あすなろコラム

~主役は子ども~ 2016.04.18

「川は、岸のために流れるのではない。川のために岸ができているのだ」

私の尊敬する教育者のひとり、東井義雄先生の言葉です。川を子ども、岸を幼稚園と置き換えるとよくわかります。いつでも主役は子ども達です。その子ども達のために幼稚園はあるのです。決して幼稚園のために子ども達がいるのではありませんし、教育は子どものために存在するのであり、教師のために存在するものではありません。当たり前のことですが、この原点を意識するかしないかで保育内容は大きく変わってきます。

例えば、岸から多少はみ出た川の流れがあるとしましょう。それをどう対処するかは幼稚園しだいです。我慢や辛抱を嫌い、待つことをせずに、すぐに結論を出そうとすれば、はみ出た川の水は堰止められ、やがて涸れてしまうでしょう。果たしてそれで子どもの気持ちをつかむことができるでしょうか。子どもから信頼を得ることができるでしょうか。

もちろん基本的な生活習慣などを身に付けるには、ブレない本流に水を流さなければなりません。しかし、そこに至るまでは、お互いの信頼関係が必要です。強制するだけでは信頼は生まれません。我慢強く辛抱強く「明日はきっと…」という希望をもって、あきらめずに子ども達と向き合うことで、信頼が生まれ、どんな川の流れもやがて本流に流れていきます。ですから、まずは、どんな川の流れも受け止められるかが問われるのです。

出来る子だけがすばらしいわけではありません。長所がよくて短所がだめではないのです。もちろん長所を伸ばして短所をなくす努力は大切ですが、まずは長所も短所もまるごとひっくるめて、その存在そのものが長所であると受け止めることが川のための岸作りだと思うのです。主役は子ども。当園はこれからもいかなる川の流れにも対応できる幅広い岸づくりを目指していきます。

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~卒園式~ 2016.03.15

出来なかったことが
出来るようになった

分からなかったことが
分かるようになった

証書を受け取る
一人ひとりの輝く瞳は
その成長の証

心も体も大きくなって
門出を迎えた今日の良き日

入園式では子が泣いて
卒園式では親が泣く
みんな育ってみんないい

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~「ただいま」と「おかえり」~ 2016.03.04

先日、新聞をながめていると、ある記事に目が留まり、思い出した話を紹介します。
ある単身赴任の父親が久しぶりに我が家に帰宅。その日は、まだ早い時間だったので家には誰もいませんでした。徐に自分の部屋に行き荷物整理をしていた時のことです。不意に玄関が開く音がしました。そして次の瞬間「ただいまーっ!」という声、そうです。ひとり息子が学校から帰ってきたのです。

父親はその時、整理していた荷物を持つ手が震え、こみ上げてくる涙を堪えるのに必死でした。
毎日、誰もいない家にひとりで帰ってくる我が子。母親も仕事なので誰もいないことが当たり前になっている我が家では息子を「おかえりーっ!」と迎えてくれる人はいない・・。なのにこの子は・・毎日このように帰ってきているのか・・。ひとりで「ただいまーっ」と・・。

冒頭の話に戻ります。新聞には「「おかえり」が教えてくれた気持ち」というタイトルで小学校4年生の作文が紹介されていました。この子の父親も海外で単身赴任、そして毎回、家に帰ると「ただいま」の代わりに「おかえりー!」と言うので、家族全員が「おかえり」の大合唱になるそうです。

では、なぜ「おかえり」なのか。その理由は、自分がいつも一番最後に帰ってくるので家族に「おかえり」と言ってあげられないからだそうです。そしてこの子はこう言います。「おかえりは人を温かい気持ちにさせて、元気にしてくれる言葉なんだ」「夜遅くまで仕事をがんばって、休日もむずかしい顔でパソコンをみている。単身赴任先ではきっと誰にも「いってらっしゃい」や「おかえり」と言ってもらえず淋しかったはずだ」「ぼくは、そんなお父さんに感謝の気持ちを込めて伝えたい」「おかえり!お父さん」

いかがでしょうか。「ただいま」と「おかえり」たったそれだけの言葉ですが、それが家庭にあるかないか。家族の絆とは日々交わす言葉に表れることをあらためて感じたお話でした。

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~ほめ方のあり方~ 2015.12.07

「私、褒められて伸びるタイプなんです。」上司に思いっきり叱られている時にそんなジョークを飛ばす笑い話がありますが、褒められることでグレてしまったり腸(はらわた)が煮えくり返るほど頭に来て「進撃の巨人」化する人はいないわけで、基本的には大人も子どもも人は皆、褒められると素直に嬉しいし、その喜びが更なる意欲やヤル気を掻き立てるのは間違いないようです。

特に子どもにとっては、そのことがとても顕著です。わたくしの経験からもすべての子ども達が、褒めて伸びるタイプと言えます。たとえば教室でAくんを褒めたとしましょう。するとBくんもCさんも褒められたい一心で担任の先生に熱い視線を送ります。「ほら、見て!ぼくも出来てるよ!」「わたしだって出来てるよ!」瞳を輝かせてそんな視線を送る子ども達が何ともいじらしくて可愛らしく、とにかく「み~んな褒めてあげた~い!」という思いに駆られます。

「ほめて、みとめて、はげまして」当園では、子どもに対する保育者の姿勢をこの3つの言葉に集約して日々の保育にあたっていますが、そこには誤解してはいけない大事な視点があります。それは、のべつ幕なしに褒めても意味がないということです。いくら相手が子どもでも、わざとらしい見え見えの褒め言葉では心に響かないことは皆様もお分かりだと思います。では、どうすればよいか?

昔から「教え上手は褒め上手」と言われています。褒め方の上手な人を見ているとその答えがわかります。それは、出来たことに対して的確に褒める。さらにダメなことはしっかり叱る、失敗しても挫けないようにちゃんと励ます。そして、最後に出来たことをきちんと褒める。
「可愛くば、五つ教えて三つ褒め、二つ叱ってよき人となせ」二宮尊徳翁もかように申しているように「褒め方の在り方」により子どもの成長の伸び代は無限大に広がる気がします。

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