学校法人 柿迫学園 あすなろ幼稚園

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あすなろコラム

~理想の保育者~ 2017.10.01

「あなたはなぜ、保育者になりたいと思ったのですか?」      この問いかけに対して、「私は子どもが大好きだからです。」と答える人が多いと思います。もちろんこれはとても良いことだと思います。 なぜなら、もし、子どもが嫌いな人がこの仕事に就いているとすれば、保護者は子どもを安心してあずけることはできないでしょうし、何より本人にとって、とても不幸なことです。

 

しかし、少々意地悪な質問ですが「子どもが好きなだけで保育者になれると思いますか?」こう問われればいかがでしょうか。答えは賛否両論かもしれませんが、私は「子どもが好き」ということは保育者にとって欠くことができない要素ですし、まずは、その気持ちがなければ保育の仕事は務まらないのですが、それだけでは不十分だと思います。

 

では、何が必要か?それは、子どもに好かれるという事です。何故なら「子どもが好き」であれば必ず「子どもから好かれる」という訳ではないからです。「子どもが好き」ということはもともと本人がそう思っていることですから、格別の努力の必要はありません。しかし、「子どもから好かれる」には努力が必要です。そしてこの知恵を絞ったり工夫を凝らす努力をすることこそが保育者に求められられることです。

 

保育現場で、先生が子ども達に好かれているかどうかは、日常のふとした時に垣間見られます。子どもに好かれている先生のまわりには、いつも子どもの笑顔が溢れています。まるで、その先生に吸い寄せられるように集まってくる子ども達。言うまでもなく「子どもに好かれる」ということは子どもにおもねることではなく、誤解を恐れず言えば、叱られることもあるけど先生が大好きということです。まさに子どもと先生の信頼関係と言えますが「信頼」とは、人間関係を良好にする一丁目一番地です。子どもから好かれる保育者は、いつもそこに住んでいる子どもが大好きな人で、それこそが私が思う理想の保育者です。

 

~夏の終わりに~ 2017.09.01

今まで経験したことのない異次元の雨が多くの災害をもたらし、情け容赦ない日差しは昼間の湿度と温度をグングン上げて、街中では熱中症患者の搬送のため救急車がひっきりなしに走り回り、涼を求めて出かけた水辺では、水難事故によって尊い命が奪われ、まさに酷暑多難の夏でした。

 

そんな中、心がほっこりしたのは、やはり子ども達でした。廊下や部屋の窓から私を見かけると「えんちょうせんせーい!」と笑顔で声をかけてくれる子ども達、中には、レアなポケモンキャラを見つけたみたいにはしゃぐ子もいて、思わずこちらも笑みがこぼれ、一瞬でも暑さを忘れさせてくれました。

 

また、夏にお昼寝をする子どもの姿にも心癒されますね。昼間のうだるような暑さの屋外とは無縁の涼しい部屋で、タオルケットをかけて、すやすやと眠る姿はとても気持ちよさげで、仕事をほっぽらかして一緒に昼寝したくなる衝動に駆られた先生も多かったのでは・・。()

 

さて、誰もが否定しようのない今年の夏の暑さでしたが、もう暑いのは嫌だ、と思っていても過ぎゆく夏に、一抹の寂しさを感じる人も少なくないと思います。まつりの後の帰り道、誰もいなくなった砂浜に残されたビーチサンダル、空になった虫かご・・。

 

暑い中、あんなにはしゃいだ夏が終わるのは、やっぱり何となく寂しい。はたまた、これといって特に何もしなかった夏は、もっと寂しい。子どもにとって夏休みが終わるのは、もっともっと寂しい。春夏秋冬、四季折々の中で夏は、やはり特別な季節のような気がします。

 

夏が過ぎかぜあざみ、誰のあこがれに彷徨う。青空に残された私の心は夏模様。「少年時代」の歌詞が頭に浮かび、いつの間にか、日は短くなり、昼間の蝉の声は消え、夕日に染まる空を飛ぶ赤とんぼ、夜になれば、どこからともなく虫の声。

 

夏の終わりは、その思い出を青から茜色に染めながら、ゆっくりと穏やかに秋を迎えます。誰かさんが見つけた小さい秋。皆さんもどこかできっと見つけるでしょう。

 

~忘れちまった悲しみに~ 2017.07.01

「昨日の食事をすぐに思い出せますか?」

「何を取りに行ったか忘れてしまうことありますか?」

「名前がどうしても出てこない・・・という経験がありますか?」

 

私のある知人が、物忘れのひどくなった母親の付き添いで病院に行き診察前の受付で、上記のような問診アンケートを渡され、思わず苦笑したそうです。「この内容って‥ほとんど私にも当てはまっているじゃない‥」

 

昔の歌に「ちょっと前なら覚えちゃいるが・・」というフレーズありましたが、誰にでも度忘れと言いましょうか、突然、記憶が消えて「あれっ何だっけ?えーっと‥あれよ!あれっ!」と地団駄を踏むような経験があると思います。度忘れ、物忘れ、勘違い等々‥。記憶に関して人は、案外もろいものですが、そのことをつい忘れちまって、深い悲しみに打ちひしがれるという私の私淑する作家のこんなエピソードを紹介します。

 

あるホテルでの講演会を終えて、預けたカバンとコートを受け取るべくクロークへ。しかし「お待たせしました」と手渡されたのは、カバンだけだったので、すかさず「コートは?」と尋ねたところ「お客様からお預かりしたものはカバンだけですが‥」という返事。

 

あるはずのものがない、とあっさり言われては、後には引けず「あるはずだ!」「いえ、ございません」「いや!絶対預けた」「何かのお間違えでは‥」の繰り返し。そこで、この作家の脳裏に一瞬、イヤな予感が浮かび、自宅に電話をかけました。「もしもし、そこいらにコートは、ないよな?」しかし、たまたま玄関先にいたのか、家人からの返事は即答で「ありますよ」でした。

 

あるはずのものがないのは困りますが、ないはずのものがあるのはもっと困ります。この事態を収拾すべく「すまん‥家にあった」と詫びた時の敗北感と言ったら、忘れちまった悲しみに今日も風さえ吹き過ぎる、だったそうです。

 

~クワバラ クワバラ~ 2017.05.29

それはあまりにも突然でした。バケツをひっくり返したような雨がパレード隊を襲い、逃げ惑う人々を狙い撃ちする雹は、まるで戦場の砲撃のようでした。

 

博多のGWと言えば、街を彩るどんたく祭り。多くの観光客も訪れて、その賑わいは全国的にも有名ですね。しかし、博多の人は知っています。どんたくには雨がつきものだということを・・。

時期的な問題なのかどうかはわかりませんが、兎にも角にも、私が少年のころから、どんたくは雨という記憶が脳裏にしっかりと刻まれています。

 

しかし、今年の5月の3日、4日の天気予報は晴れマークだったので、誰しもが、今年のどんたくは雨が降らない、と思ったことでしょう。ところがどっこい、飛んでも八分歩いて十分、その予想はもろくも崩れ、午後からだんだん雲行きが怪しくなり、冒頭の嵐のような雨に見舞われました。

 

私の知り合いもパレードの順番待ちをしている最中、まさかの雨に、傘もなく、近くに雨宿りする場所もなく、衣装はもちろん下着までもが全部ずぶ濡れに。ご本人いわく「逃げ場を失った濡れネズミのようだった」そうです。(クワバラクワバラ)

 

当然パレードはそこから中止。知り合い御一行は、ずぶ濡れのためタクシーにも乗れず、やけのやんぱちの捨て鉢状態で、とぼとぼバス停まで歩き、バスの車内では、ぽたぽた水を滴らせ、他の乗客の憐れむ視線をじっと耐えながら帰宅したそうです。来年のパレードは「晴れても雨カッパ持参」これが今回の惨事で生まれた教訓らしいです。

 

さて、クワバラクワバラとは、古来より雷除けのおまじないとして唱えられたそうですが、季節はまもなく梅雨に入ります。皆様も突然の雨やその他の災いがわが身に降りかかることがないようにクワバラクワバラを折にふれて唱えられることをお勧めします。ちなみに「つるかめつるかめ」というおまじないもセットに使用すると効果はさらにテキメンです。

 

~5月の風~ 2017.05.01

春の嵐も過ぎ去り、五月の風に、陽だまりの新緑が眩しく揺れています。そして勇壮に泳ぐ鯉のぼり。どこまでも続く青い空に浮かぶ雲たちは、吹く風に行き先を尋ねながらゆっくりと流れていきます。

 

園庭に吹く風もやわらかく、子ども達にひとり、またひとりとタッチしながら、固くなった心と体をやさしくほぐし、涙で濡れた頬を乾かしてくれます。子ども達にとって、あすなろ幼稚園の先生達は、そんな五月の風のような存在でいたいと願っています。

 

そして、野原に寝そべり、空に浮かぶたくさんの雲を見ていると、あらためてひとつとして同じ形がないことに気づきます。そんな雲のように、一人ひとり違った様子や表情を見せてくれる子ども達。晴れた日の雲はふわふわ真っ白でも雨の日にはどんより曇ってしまいます。しかし、晴れても曇っても雨が降っても子どもの心にしっかりと寄り添いながら、心の花を開いていく。あすなろ幼稚園はその花が満開に咲く野原のような存在でいたいと願っています。

 

「言うは易し行うは難し」という言葉もあるように、何をするにしても、口で言うのは簡単でそれを実行するのは大変難しいわけですが、「念ずれば花ひらく」という言葉もあります。そして我が家にある松岡修造氏のカレンダーにはこんな言葉もありました。「できるできないではなくやるかやらないかだ」大事なことは思いを強く心に念じてコツコツと一歩ずつ前に進むこと。

 

まもなくゴールデンウィークです。幼稚園がお休みでも外に出ると、五月の風が優しく子ども達を抱きしめてくれることでしょう。その風はきっと幼稚園の先生達です。そして、ハウステンボスなどの行楽地で見られる満開の花で溢れる花園は幼稚園そのものです。そう言える幼稚園、そう言える先生でありたいと願いながら、爽やかな五月の風を胸いっぱいに吸い込んで、これからも流れる雲を追いかけて行きます。

 

あすなろ幼稚園
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