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園から、ことばのお便り。

あすなろコラム

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~強さと弱さ~

-思えば遠くに来たものだ‐ではないですが、保育の世界に従事して30年以上の月日のことを思えば「ずい分と長いことやってきたんだなあ~」と私事ながらとても感慨深くなるものです。 そして、辛かったこと・悲しかったこと・嬉しかったこと・楽しかったことなど全部をひっくるめた経験の中で学んだ大切なことは何か?と誰かに問われれば、迷うことなくこう答えます。それは「素直さと謙虚さです」―と。 人は得てして、自分の思い通りになればなるほど、慢心になりがちです。いわゆる‐調子に乗りすぎたり、独りよがりになったり、物事をすべて自己中心的に考えてしまう‐。たとえば勝負事で言うなら、何度も勝ち続けるうちに、その強さとは自分だけの力だと過信し、まわりの人々への感謝の気持ちを忘れ、相手に対する敬意をも失い、強さの中に潜む傲慢という罠に自らはまっていく。 反面、いつも自分の思い通りにならない、何をしてもうまくいかないという経験をすればするほど、どんなに悲しくてつらい現実が何度繰り返されたとしても、それをありのまま受け入れざるを得ないという自己統制力が芽生え、自然と謙虚な姿勢が身に付いていく。さらに自分の至らなさや弱さを素直に認めることができれば、他者の苦しみや痛みが理解できるようになり、失敗や過ちを非難することなく許せるようになる。つまりは「人は悲しみが多いほど、人にやさしくできる」ということです。 ‐素直さと謙虚さ‐それは強さの中からではなく、弱さの中から生まれる。どんなに経験を積んでも、まだまだ至らないという自分の未熟さをわきまえて、自らの失敗や過ちがあれば素直に認め、日々謙虚に生きることが何より大切だということを自省自戒の念をもって感じる次第です。 涙を見せるのは、弱さではなく強さ。所構わず大声で吠えるのは、強さではなく弱さだということもきっとある。「弱さの中にある強さ、強さの中にある弱さ」これこそが人間の心の中に秘められた本物の強さと弱さのような気がします。

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